鈴木正徳九州経済産業局長との懇談会

2004.5.19

場所:メインホテル

九州経済産業局の鈴木局長との懇談会が実現しました。まず1時間ほどご講話を頂き、質疑応答のあと懇親会を行いました。九州全体をひとつの地域ととらえいろいろな側面から分析、今後の展開をどうしたらいいかというお話は大変新鮮で目を開かれた思いがしました。
また、霧島工業クラブに対しても他地域のグループとの交流や、農業と工業のの連携など大いに期待されているとのことでした。

講話メモ


九州経済の現況について
 大分キャノン新工場着工、東芝大分工場新製造棟での量産開始、ダイハツ車体操業開始など5つの大きな投資の動きがあり将来的には九州の鉱工業生産を2割UPする効果が見込める。
 課題としては雇用(完全失業率が全国平均より高い)、賃金格差(地方工場を現地子会社化し賃金を下げる動きなど)、原材料の価格高騰がある。
 経済産業省では新産業創造戦略として平成16〜18年度の3年間に集中投資を行う。

九州の「ものづくり・ひとづくり」の在り方について
 九州ものづくり懇談会は各県の企業の方に委員になってもらった。初対面の委員も多く、案外県が違えば交流がないのではないか。
 九州域内での調達率が全国平均より高いものは鉄・ゴム・食料品の3品目だけである。アンケートの結果を見ると、「どこにどういう企業があるか知らない」「交通網の整備が遅れている(輸送に時間がかかる)」などが課題である。高速道未整備の宮崎−大分の工業製品・食料品などの取引額は300億円しかない。宮崎−鹿児島は1,500億円、宮崎−福岡は1,200億円である。
 九州にはTLOが6つもあり連携ができていないのではないか。関西などは1つだけである。事務局を一本化するなどの対策が必要。

広域的なネットワークづくり
 産産連携をさらに活性化したい。産業クラスターづくりをしていかなければ世界的競争には勝てない。九州内には256の異業種交流グループがある。中には大変活発な活動を行っているグループもある。霧島工業クラブもぜひ県境を超えて他の団体との交流をして欲しい。

人づくり
 ライン全体を見られるような中核的人材の育成が急務である。インテル社の事例なども参考になる。企業・大学・高専など連携して取り組む。
 先月から九州内の高専を訪問した。ある分野の人材育成は大学ではまかなえない。北九州高専では地元の企業から人を受け入れバイオの技術を教えている事例もある。都城高専も是非手を上げて欲しい。

農業に焦点を当てた施策
 やっぱり九州は農業。中国もマーケットとして考える時代になっている。中国は昭和30年〜40年の日本と同じ状況である。消費の中心は社用族であり高いものが売れる。
 まねのできない物を作る。トレーサビリティも中国に負けないようなシステムをつくる。


鈴木局長

霧島工業クラブ会員の他に宮崎県工業会の若手グループ・飛翔会のメンバーも参加しました。