寒くなってからはカヌーにも乗らないし、これといった運動もしてないので、意を決して霧島の中岳を登りに行きました。
やはり、山は良かった。天気も上々。人も少ないし、冷たい風が心地よい。あまりに久しぶりだから、体がナマって苦しいかと思いきや、これが長いことかかって鍛えたおかげでしょう、少々息は切れるものの足腰はホイホイと前へ進む。
ふだんの生活では、ショートホープを1日に4箱も吹かし、毎晩焼酎を切らしたことがなく、閑さえあれば、ゴロリとひっくり返って本などを読みながらうたた寝をしてる、などという不摂生とグータラを絵に描いたような状態ですから、登れるかどうか不安はあったのですが、イヤイヤけっこういけるもんです。
頂上でビールを飲んで一服して、2時間で降りてきました。
それにしても、都城は良い所だと思う。
家を出てからたったの2時間で1400mの高みでビールが飲める。そのまた2時間後には家に帰り着いてビールを飲んでる。
うまいビールが2時間ごとに飲める。これほど恵まれた土地もそうないと思う。そうそう、山を登った後のうまいビールの飲み方では、なかなかの講釈をしてくれた見知らぬ山の先輩がいた。
あれはまだ雪がビッシリ詰まった5月の谷川岳でのことだったっけ。
いや、これを書くのはやめておこう。話が長くなりすぎる。
中岳の登山道には、誰でも山を楽しめるようにであろう、ズーっと石畳が敷いてある。
登りが急な所ではそれが階段状になっている。登るのに楽であるかどうかは別にして、霜柱が融けてビチャビチャ、ドロドロになるよりはありがたい。が、しかし、下るのは辛かった。少ーし暖かくなってきた頃、雪の稜線を歩いていて、12本爪のアイゼンの下に雪が団子状にくっついてしまったことがある。
10mも歩くと団子になっちゃう。それをピッケルの柄でたたき落としながら歩く。めんどうでしかたがない。でも、落とさないとスリップしてしまう。そんなもどかしさがあの石畳の下りにはあった。ちょっと贅沢。
久しぶりの山は良かった。山屋酔山、山が好きである。