古い友達でもある串間のKawanoが、身の程知らずで恥知らずにも写真の個展を串間で開くというので、長年のよしみ、浮き世の義理、と、マァ、様々なことを勘案し、貴重な日曜日をつぶし、野生の馬や猿が闊歩する陸の孤島、串間へ出かけました。しかも、花束まで準備して。
 で、感想もなし。ただ少々、苦言を進呈。写真を撮るときはピントを合わせなさいよ。オートフォーカスでどうしてピントが甘いわけ ?
 辛口で無責任な古きオメェ様の友人より。
閑話休題
 最近、どういう訳か、私のお袋様が写真に凝っちゃって。どこだかの写真の先生のところまで通って勉強だとか。地元では老舗のカメラ屋として商売を切り盛りしてきた他に類を見ないほどの働き者のお袋様である。今までこのお袋様とは得も言われぬ確執があったのではあるが、私をこの世に送り出してくれた功労者には違いないのである。世のため、人のために良かったか悪かったかは別として。
 そのお袋様が、棚田の写真を撮ってこいと言う。雨の中、串間の帰りに日南市酒谷と都城市安久の現場を廻ってきた。
 上が酒谷の棚田。右が安久の棚田。
 ご多分に漏れず減反だとかで棚田が棚畑になってたりもするが、先人の米作りに対する執念みたいなものを感じる。こんな山の中でこつこつと石を積み上げ、営々と稲を育ててきたのに、それを今さら減反してください、なんぞとはもってのほか。きっと、執念が怨念に変わる日が来るぜよ。