秋の六峰街道

 博多の町に行く用があり、往復とも高速をひたすら走るのも能がないし、さてと思いついてちょっと遠回りだけど、六峰街道を走ってみることにした。ちょうど紅葉の時期でもあるし、夕方まで時間もあるし。
 高速と10号線をひたすら北上し、門川から左折して五十鈴川に沿って走り、五ヶ瀬川の川水流に降りる峠から六峰街道を登る。ここらは紅葉にはまだ数日早かった。尾根を登り切ったら五ヶ瀬川の対岸の山々がすばらしい。低山ではあるが由緒正しい花崗岩の峰々。こりゃぁ、来た甲斐があった。山、高きが故に尊からず。
 道が内陸部に進むに従って木々が色づいてくる。ところが、こちらはだんだん色が無くなってきた。ガソリンが乏しくなり、時間も予定より遅い。10号線を左折してからはガソリンスタンドが無く、そのまま山に入ったのがまずかった。五ヶ瀬の町まで持ちこたえてくれればと、そればかりが気になって紅葉どころではない。それでも、写真は撮ってるから我ながら意地汚い。せっかくだからという貧乏根性が否応なしに出る。マァ、余裕が無いと写真なんぞ撮れませんぜ。
 阿蘇の高岳が見えだしたら道が下り始めた。五ヶ瀬の町はもう近いが博多の町はあの山の遙か彼方。ガソリンを補給し、ひたすら走る。なみいる車をかき分け、追い越し、ほぼ予定通りの時間に着くことができた。朝10時に出発して7時間。ほとんど飲まず食わずで走り通した。疲れた。
 で、博多の町でもテンプラを肴に霧島を飲んでる自分がいる。何も変わりゃしない。