講座No.17「食品の機能性とその評価技術」

2006.10.28 10:00〜16:00

場所:都城高専AVR室及び化学実験室
講師:(財)宮崎県産業支援財団研究員
(宮崎大学農学部助教授)榊原陽一氏


 現在、宮崎県地域結集型共同研究事業(中核機関:宮崎県産業支援財団)では宮崎大学医学部と農学部が中心となり、「食の機能を中心としたがん予防基盤技術創出」という研究テーマに取り組んでいる。榊原助教授はその中で「がん予防を目指した食品機能性評価法の開発」に取り組んでおられる。現在研究中の食品の機能性を一気に解明する新手法「ハイスループット食品機能性評価法」の説明があった。
 バイオマーカー測定法の改良や、データを蓄積しておき最新のニューラルネットワークなどの情報工学的手法を用いて機能性を予測する研究をされている。
 続いて活性酸素やフリーラジカルが体にどんな悪影響を与えるのか、それを防ぐための方法や抗酸化力を持つ食品の話があった。
 実習は抗酸化活性測定を行った。DPPHという色のついたラジカル物質に抗酸化物質を含むサンプルも混ぜると還元され吸光力が変化することを利用して測定する。(DPPHラジカル消去能の測定)
 サツマイモのミヤザキベニとアヤムラサキを測定した。アヤムラサキは強い抗酸化活性力を持つイモで、測定結果もミヤザキベニの15-6倍の抗酸化活性を持つことを確かめることができた。
 実習を体験して、正確な測定を行うためにものすごい注意力と根気が必要なことがわかった。

(財)宮崎県産業支援財団のページはこちら
http://www.i-port.or.jp/


宮崎県地域結集型共同研究事業のページはこちら
http://www2.i-port.or.jp/mi-create/



榊原研究員の講義

活性酸素をやっつける抗酸化酵素にはいくつかの種類がある。このような図をたくさん使って分かりやすく説明されました。

宮崎県産業支援財団研究員の石田さんが実習の手順を説明、研究員赤松さん、技術スタッフ奥野さんにも実習の指導をしていただきました。

サンプル(アヤムラサキの粉0.1g)を精密秤で測ります

サンプルにエタノールを加えボルテックスミキサーで攪拌中

サンプル抽出液をマイクロピペットでマイクロプレートに決められた分量入れていく

マイクロプレートに準備ができました

マイクロプレートリーダーで吸光度を測定します

測定結果をパソコン処理したもの、1班、2班で若干違いはありましたが、アヤムラサキが普通のサツマイモに比べて、多くの抗酸化物質を持っていることがわかりました。