講座No.21「ハウス内湿度コントロール」

2006.12.16 13:00〜16:00

場所:宮崎県工業技術センター会議室
講師:宮崎県工業技術センター機械電子・デザイン部平栄蔵副部長


ビニールハウスなど農業温室は湿度が高くなることにより、病害の発生や品質低下、収穫量の減少などの弊害が発生する。また、冬場には温室内面へ結露が発生し外気への熱放散が増加することにより暖房費が増大する。
 そこで農業用温室で使用できる低コストで大容量の除湿装置の開発を産学公協力により進めている。特に冬場の低温時にも除湿性能が低下しない吸収式除湿装置を開発し、実証実験を行っている。
 温室面積も1,000uの実用規模で実証実験を行い、農薬散布回数、温風暖房機の燃料使用量、温室内の温度・湿度を計測、除湿装置を設置しない温室との比較を行った。
 成果として病害発生や農薬散布回数が減少、温風暖房費が減少(省エネ効果)、収穫量の増加などが実証できた。
 講義では湿度コントロールの基礎知識としていろいろな除湿法や吸収式除湿法の研究過程の紹介などもあった。
 実証実験では収穫量のアップなど良い結果が出ており、低コスト化が実現できれば農家に普及するのではと感じた。(現在製品化に向けて研究中だそうです)


平副部長

1000uのハウスで実験中の装置

吸湿液にはトリエチレングリコール水溶液を使用、簡便な構造を実現した。

除湿装置なしの場合、95%以上の湿度になることもあるが、除湿装置があると90%程度にコントロールできる。