講座No.28「メタン発酵技術」

2007.2.17 9:00〜12:00

場所:霧島酒造(株)霧の蔵「吉助」、志比田工場、川東工場
講師:宮崎大学工学部横井春比古教授介氏
霧島酒造(株)生産本部森山和之副部長


 メタン発酵技術は嫌気性微生物群の働きにより、排水や廃棄物中の有機物をメタンや炭酸ガスに分解する技術である。排水や廃棄物中の汚濁物質を低減化し、エネルギーの生産につながる。歴史的には1900年頃から下水処理場で発生する汚泥の減量処理として実用化されたが、日本でも1950年代から工場排水処理法として実用化され、1970年代の石油ショック時には石油代替燃料生産の手段として見直しをされた。
 さらに2000年代になると地球温暖化対策として再評価され、2005年2月の京都議定書発効もあり、バイオマス・ニッポン総合戦略には廃棄物系バイオマスの利活用が盛り込まれている。
 本講座においては全般で宮崎大学横井教授の座学によるメタン発効技術の概要を学び、その後霧島酒造(株)の焼酎粕メタン発酵プラントの説明および見学(志比田工場および本社(川東)工場の2ヶ所)を行った。
 霧島酒造では「化石燃料を使わない」というポリシーのもと、一日約400〜450トンの焼酎粕や芋くずを処理し、約7トンの飼料用の粉末にしている現場を見学することができ、バイオマスエネルギーの利用がここまで進んでいるということを実感できた。


横井教授

メタン発酵の概要

志比田工場の高速メタン発酵の工程説明

本社(川東)工場の処理システム

グラニュール

近くに行くとものすごく大きいです

霧島酒造森山さん、雨の中お世話になりました

川東工場のメタンガスの貯蔵タンク

乾燥した焼酎粕の粉末は飼料工場へ運ばれます

本社(川東)工場