講座No.30「農業資材の性質とリサイクル」

2007.2.24 13:00〜16:00

場所:都城高専化学実験室
講師:都城高専一般科目理科森寛助教授
実習講師:南榮工業(株)三嶋正利工場長
都城高専山内辰郎助手


 農業資材の中でも特に良く使われるビニールシートやプラスチック容器などの高分子化合物の特徴を学び、そのリサイクル方法も考えるという講義であった。
 はじめに廃ポリエチレンシートの溶融固形化の実験を行った。ポリエチレンシートを型枠の中に重ねて入れ重しをして加熱する方法と、パイプに巻きつけさらに一回り大きいパイプの中に差し込んで恒温槽で加熱し、変化を見た。恒温槽内でポリエチレンシートが加熱とともに縮んでいくようすはビデオで見ることができた。加熱時間によって硬度が大きく変化することが理解できた。
 我々は一言でプラスチックと言っているが、これは「可塑性があり、加熱により軟化し、任意の形に成型できる有機高分子物質」の総称であり、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ポリエチレン、ポリ塩化ビニルなど多くの種類があって日用品や機械部品・建築材料などに広く使われている。
 また、プラスチックのリサイクル方法は、大きくマテリアルリサイクル・ケミカルリサイクル・サーマルリサイクルに分けられる。特に使用量の多いペット(ポリエチレンテレフタラート)のリサイクル方法や、食品トレー・発泡スチロールなどのリサイクルについても説明があった。
 南榮工業の三嶋工場長からはポリエチレンシートの種類や性質、リサイクルなどの話があった。ポリエチレンシートにはたくさんの種類があり、値段だけではなく用途によっていろいろな製品を使い分ける必要があることが理解できた。


森助教授

山内さん

南榮工業三嶋さん

パイプに廃ビニールシートを巻きつける
サイズの大きいパイプの中に入れる

切れ端は細かく裁断してアルミの箱に入れ上からアルミの板で押さえて重しを乗せる

恒温槽に入れる

150℃で10分程度加熱したもの

こちらは170℃で加熱したので硬い板状になっている